前回まで、
BINGO!!の怒り
1
SEVENさんと別れて、レベル上げのために森へと戻った。
また大量に雑魚敵を倒さなきゃならない。
どこか義務に感じてしまって憂鬱になる。
同じ経験値を得るなら、PVの方が効率いい。
そのPVで勝てないから、必死にレベルを上げてるんだけどね。
まるで練習の練習をしているみたいだよ。
「うーん、ここではもらえる経験値が少ないから、別のステージに移動するか」
ということで、森を離れて別のステージに移動した。
2
森の出口に、道着を着たキャラクターが立っていた。
BINGO!!さんだった。
でも、なんだか様子がおかしい。
振り返ってみると、KILL°°BEを見つけた時から、BINGO!!さんの雰囲気が変わったような気がする。
最近俺たちと行動しなくなったし、何より近寄りがたい。
よくわからないけど、BINGO!!さんから『負のオーラ』が滲み出ているような気がした。
怒りの感情が、画面を通じて伝わってくるんだ。
KILL°°BEとの間に何があったかわからないけど、話を聞いてみなきゃ進まないしね。
俺はBINGO!!さんに近づき、
[BINGO!!さん、元気してましたか?]
と話しかけた。
3
しかし、反応がない。
懲りずにもう一度話しかけた。
- BINGO!!
- あぁDINA君か
ようやく返事が返ってきた。
- DINA
- 何やってるんですか?
- BINGO!!
- KILL°°BEを探していた、見つけてくれたかい?
- DINA
- ごめんなさい、まだ見つからないです
BINGO!!さんはここ最近、必ずKILL°°BEの所在を確認してくるんだ。
そのたびに[見つからないです]と返している。
仕方のないことだけど、繰り返し謝っていると、何だか本当に申し訳なくなってしまう。
でもBINGO!!さんがKILL°°BEを探している理由は全然わからないので、
- DINA
- 何でそんなに必死になってKILL°°BEを探しているんですか。教えて下さい!
思い切って聞いてみた。
4
- BINGO!!
- お前には関係ない!!
かなり強い口調で突き放された。
本気で怒っているのがわかる。
BINGO!!さんの逆鱗に触れてしまったのだろうか。
- DINA
- そんなこと言わないでくださいよ(^◇^;)
俺、少しでもBINGO!!さんの役に立ちたいし、
KILL°°BEを倒す協力もしたいんです
苦しんでいる仲間を助けたい。
何か手助けしたい気持ちは誰にも負けないはず。
だって俺はチームのリーダーだから。
- BINGO!!
- お前に何ができる
- DINA
- 何がって、そりゃ捜索したり、KILL°°BEを倒したりとか
そんな感じですかね - BINGO!!
- ふざけるな
- DINA
- えっ
- BINGO!!
- 俺でさえ倒すことができなかったKILL°°BEをお前に倒すことなんてできるわけがない!
DINA!お前はKILL°°BEを見つけた時に俺に報告すればいいんだ!
それ以上勝手なマネをするな!! - DINA
- そんな、俺たち仲間じゃないですか!?
仲間って助け合うものじゃないんですか!? - BINGO!!
- うるさい!お前に俺の気持ちがわかるのか!?
たった1つの出来事で全てを失った俺の気持ちなどわかるのか!?
BINGO!!さんはどこかムキになっているようにも見える。
1つの出来事で全てを失う。
その言葉の重さに、何も言えなかった。
まだ15年ほどしか生きていない俺には、全てを失うという感覚はわからない。
ただ、辛かった。
BINGO!!さんに責めれれてるってこともそうだけど、何か違う。
そしてBINGO!!さんも辛そうだった。
きっとKILL°°BEに執着しているのは、何か裏に潜んでいる闇と戦っているのかなと解釈した。
- DINA
- ごめんなさい。
また謝った。今日何度目になるだろうか。
俺は森を出ようとしたその時だ、
- BINGO!!
- DOLPHIN事件を調べてみろ
BINGO!!さんが助言をくれた。
- DINA
- わかりました、ありがとうございます
俺はお礼の言葉を残して森を離れた。
続く。
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