前回まで、
焦り
4
- DINA
- ところで、KILL°°BEは見つかりましたか?
- BINGO!!
- いや、みつからない!
ゲームの中でヒントもなしに探すのはなかなか至難の業みたいだ。
- DINA
- まぁ焦らない方がいいですよ
何事も焦ったらいい結果なんてでませんし
焦りでレベルを上げてる自分を棚に上げてBINGO!!さんを励ました。
何事も焦ったらよくない。
今の自分にしっかりと言い聞かせたい。
- BINGO!!
- だけど、早く見つけなければ…
このままじゃKILL°°BEの犠牲者が増える一方だ!
[早く、早くしないと!]
続けて流れてきたBINGO!!さんのチャットには焦りが色濃く見えていた。
- DINA
- それじゃ、今からBINGO!!さんと一緒にKILL°°BEを探します
と提案したその時、
- KILL°°BE
- ソの必要はナい
DINAの背後からKILL°°BEが現れた。
5
- DINA
- BINGO!!さん!
俺の後ろ! - BINGO!!
- あぁ、今確認した!
KILL°°BE。
この前はほんの一瞬しか見ることができなかったが、改めて見てみると本当に不気味なキャラクターだ。
全身黒一色で統一されていて、一目で『悪』だということがわかる。
- KILL°°BE
- BINGO!!
会いたかったんだろう
ぶっ殺してやる - BINGO!!
- 今度こそ決着をつけてやる!
まさに一触即発の状態。
戦う前から互いの闘志がぶつかり合っている。
- BINGO!!
- DINA君!!
- DINA
- はい!
緊迫した中、BINGO!!さんは俺に声をかけてきた。
- BINGO!!
- 多分、俺はこのPVで消えることになるだろう!
だからお願いを聞いてほしい! - DINA
- はい!
(お願いってなんだろう)
BINGO!!さんの言葉が遺言みたいだったので、
[みんなにヨロシクと伝えておいてくれ!]
とか言葉を託してくれみたいなものだと思っていた。
- BINGO!!
- もし俺がまた違う姿になったとしても、また仲間に入れてくれるかい!
[また仲間に入れてほしい]というお願い。
意外なお願いで一瞬ビックリしたけど、
- DINA
- もちろんです!
すぐに返事をした。
BINGO!!さんは[…ありがとう]と一言返すと、
チャットウィンドウにはお知らせが。
[お友達になりますか?→from BINGO!!]
俺は迷わずyesを選択する。
- BINGO!!
- これで次にあった時に間違えない!
来世でまた会おう!!
BINGO!!さんはこの言葉をチャットウィンドウに残し、KILL°°BEとのPVが始まった。
6
俺は2人のPVを観戦しようとしたが、やはり閲覧禁止になっていた。
(仕方ない、この場で見守るしかないな)
コントローラを机の上に置いて、ベッドに横になろうと席を立とうとしたとき、
[貴様が、DINAか]
チャットウィンドウに見えたDINAの文字。
一瞬しか見てなかったから誰の発言かまではわからなかったが、
言葉からかなり乱暴だということだけは理解した。
ベッドに向かうのやめ、チャットの主を探した。
(どこだ、どこにいる)
BINGO!!さんを離れ、右に向かって歩いた。
少し歩いて画面が切り替わると、キャラクターがひとり立っていた。
魔道士のような服装で全身黒。
髪は短く金髪。
背中には自身の体と同じくらいの大きなハンマーを背負っている。
威圧的な雰囲気というか、高圧的なオーラが、画面越しからも伝わってくる。
- DINA
- 僕を呼んだのは、あなたですか
恐る恐るキーボードをうつ。
今まで出会ったプレイヤーと格が違う。
そして返信のチャットウィンドウをみて驚愕した。
- NATSUHA
- そうだ
チャットウィンドウの名前には、
NATSUHA
と書かれていた。
- NATSUHA
- はじめましてだな
Team XのリーダーのNATSUHAだ
NATSUHAは意外と丁寧な自己紹介をした。
続く。
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