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ZONE with Bot
4
GINJIの合図で攻撃を開始した。
SIDはスキル『ソウルバーン』を駆使し、SEVENは刀で斬りつけ、後方からGINJIの拳銃で援護。
体力が少なくなれば、MOMOKOの回復魔法『ルオナ』や『ヒリンク』で回復。
その時俺は、その場で待機していた。
必要に応じてアイテムを渡すなどのサポートにまわった。
- SID
- 今、薬草はいらない
とまぁこんな感じで薬草とかを渡しているんだ。
一方でガスマスク集団はというと、
装備しているマシンガンで攻撃してくるのみで、それ以外一切動きがない。
おまけに、
- ZONE
- オハヨー
- ZONE
- オハヨー
とチャットで語りながら攻撃してくるから気持ち悪い。
ガスマスク集団はZONEという名前らしい。
体力が高くて1体倒すのにも時間がかかる。
- SID
- 『ソウルバーン』
- SEVEN
- 『回転斬り』
- GINJI
- 『バレットラッシュ』
全力で立ち向かったこともあり、1体、また1体と倒すことができた。
そして、チャットウィンドウに流れてきたお知らせを見て愕然とする。
- お知らせ
- SEVENは経験値0を獲得しました
- お知らせ
- SIDは経験値0を獲得しました
- お知らせ
- GINJIは経験値0を獲得しました
- お知らせ
- MOMOKOは経験値0を獲得しました
- お知らせ
- DINAは経験値0を獲得しました
NPCを倒したら必ずもらえる経験値が0だったから。
5
- GINJI
- そんなハズは…
GINJIが驚くのも無理はない。
通常、NPC(モンスターなどの雑魚敵)を倒したら必ず経験値がもらえる。
最低は1、NPCが強くなると貰える経験値も多くなる。
だから今回のように経験値0なんてありえない。
- SID
- …なんかゾンビみたいでイヤ
- SEVEN
- かなりの強者だが、倒しきるしかなかろう
- ZONE
- オハヨー
- DINA
- みんな、頑張って耐えぬくんだ!
- ZONE
- オハヨー
俺たちは持てる全ての力を振り絞り、果敢にZONEに立ち向かった。
しかし、減らないZONEに高すぎる体力と、チャットウィンドウを埋め尽くす[オハヨー]の文字が、徐々に体力と余裕を奪っていく。
- SEVEN
- キリがないぞ!
- SID
- …限界
- MOMOKO
- も、もう『ルオナ』も『ヒリンク』もできないよー
倒しても倒しても。
斬っても斬っても。
減らないガスマスク『ZONE』の集団。
みんな悲鳴をあげている。
もう、限界なんだ。
ここはあまり活躍できてない俺が出る番なのかもしれない。
薬草配り(ことごとく断られたけど)に徹していたため、体力は満タンに近い。
とにかく、ここで出なければ、男ではない。
俺は覚悟を決めて、SIDとSEVENが戦っている中に飛び込んだ。
- DINA
- 止まれぇ!
叫んだ瞬間、ZONE集団の攻撃がピタリと止まった。
6
- GINJI
- DINAの言葉に反応したのか?
- DINA
- 当然だろw
- SID
- …ありえないw
- DINA
- いやそんなはずはないw
- SID
- …去れww
相変わらず酷い言葉だが、SIDの言葉に反応したのか、ZONE集団が回れ右をして画面から消えていった。
画面を覆い尽くすほどいたZONEは、幾分経たたない間に全ていなくなってしまった。
- DINA
- やっぱり!俺たちの言葉に反応してるんだよ!
- ???
- それは違うね.
水を指す言葉と同時に、NATSUHAが現れる。
後ろからは初めてみるキャラクターと共に。
- FAUST
- 『ZONE』は我々が管理しているBot.
実験が終わったから片付けた,それだけだ.
白衣姿、ボサボサの髪にメガネ。
見た目は医者と言うより冴えない科学者に見える
名前はFAUST(ファウスト)。
- FAUST
- ZONEは予定通り稼働した.
後は調整するだけ. - NATSUHA
- 『オハヨー』はなんとかならんのかw
- FAUST
- 『オハヨー』は大切だから.
そこは外せない. - NATSUHA
- しかし、これでプレイヤーの数を一気に減らすことができるなw
- FAUST
- killiNg saberを持たせれば,完璧な殺人Botとなる.
俺はNATSUHAとFAUSTの会話を聞いてゾッとした。
ZONEにkilliNg saberというものを持たせて片っ端からプレイヤーを殺す、つまり削除すると知ったから。
そんなことをしたらゲームがメチャクチャになる。
許されることではない。
- DINA
- おい!どういうことだ!
killiNg saberってなんだよ!
プレイヤーを減らすってどういう意味だよ!
NATSUHAの企みを許すことなどできず、ただ怒りに任せてキーボードを叩いた。
俺がNATSUHA率いるTeam Xを止める。
そう意気込んでいたから。
- NATSUHA
- killiNg saberが知りたいかw
なら教えてやるよ
貴様の命と引き換えにw
NATSUHAの宣言ともいえる言葉に反応し、KILL°°BEがいきなり飛び出し、DINAに向かって猛スピードで近づく。
あっという間に距離は縮まり、そのままPV画面に移行した。
(NATSUHAに気を向けた隙に後ろから来るなんて、嵌められた)
- NATSUHA
- 頼んだぞ、KILL°°BE
- FAUST
- やってしまえ.
- KILL°°BE
- NATSUHAの命令ダ
オまえを抹殺スるww
強制的に、KILL°°BEとのPVが始まってしまった。
続く。
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