前回まで、
Resetする?
KILL vs SUKULL
1
PVが終わり、KILL°°BEが戻ってきた。
- KILL°°BE
- ただいま帰ってきタよ
- NATSUHA
- ご苦労だった
だが一緒に戻ってくるはずのDINAが姿を現さない。
GINJIは不審に感じ、
- GINJI
- なぁ、DINAってバックWP持っていたよな?
と仲間みんなにきいた。
- SEVEN
- 持っておるであろう
ここに来る前にアイテムを整理して持ってこさせたからな - MOMOKO
- えっ、ということは…
- KILL°°BE
- あぁ、DINAは消工たよ
死んだっテ言ったホうがいい力www
KILL°°BEは悪びれる様子もなく、事後報告をするようにサラッと伝えた。
その態度にチーム☆ダイナ(仮)は皆怒りを感じていた。
真っ先に意見したのはGINJIだった。
- GINJI
- DINAは死んだって
お前何をしたのかわかっているのか!! - KILL°°BE
- DINAヲ殺しタ
それハNATSUHAノ命令だ
俺はリーダーの命令二従っただケで何も間違ってはイない
KILL°°BEはZONEとは違いbotではない。
生身の人間が操作しているプレイヤーキャラクターだ。
だが、命令に従うだけの行動にはどこにも人間らしさを感じない。
機械のように命令を聞いて何も考えずに実行する。
どこか冷たさというか、融通の利かない冷徹さも感じている。
- GINJI
- クソッ
GINJIは何もできないでいた。
現状のチーム⭐︎ダイナ(仮)のメンバーではKILL°°BEはもちろんNATSUHAやFAUSTにも勝てないだろう。
向かっていっても無意味に殺されるだけ。
その事実を皆分かっていたから。
- KILL°°BE
- さテ、次はGINJIかナwww
KILL°°BEがゆっくりGINJIに近づき、PVを仕掛けようとした、まさにその時。
- ???
- 次の相手はこの俺だ!!KILL°°BE!!
画面の端から1体のキャラクターが姿を現した。
2
そいつは黒いマントを纏っていて、帽子は黒いシルクハット。
顔にはドクロの仮面をつけている。
ポインタをあわせたら、『SKULDA』と表示された。
- SKULDA
- よぉ覚えているかいKILL°°BE!
俺だよ! - あァ覚えていノレヨ
ハッキリと - KILL°°BE
お互いゆっくりと歩みながら距離を詰めていく。
歩きながらもチャットによる会話は続いている。
- SKULDA
- そうかそうか
なら今俺がここにいる理由もわかるよな!! - KILL°°BE
- なンノことだ
- SKULDA
- とぼけるな!
お前が引き金になってチームが消滅したんだぞ!! - KILL°°BE
- 勝手に解散しタのに偉そう二www
- SKULDA
- う、うるさい!!
引き金って言っただろうが!
とにかくKILL°°BEを倒してしまわない限り
チームの無念は晴れないんだよ!!
両者歩みをやめて立ち止まった。
そこはお互い手を伸ばせば届く範囲の至近距離。
今度は会話もなくただ向かい合ったまま動かない2人。
まるでにらみ合いだ。
そんな空気を変えたのは、SKULDAの[勝負だ!]の一言だった。
KILL°°BEもPVを受け入れた。
3
KILL°°BEにとっては本日2回目のPV。
しかし連戦の疲れはなさそうだ。
- KILL°°BE
- SKULDAにアエた
オレはとっテも嬉しいヨwww
むしろワクワクしているに違いない。
チャットからもその様子がうかがえる。
KILL°°BEにとっては殺し損なったSKULDAが、時を超えて戻ってきたのだから。
- レベル131
- 体力170
- killiNg saber装備
- ハネツキ
KILL°°BEのレベルは131。
攻撃力にポイントを振り分けているので体力は低め。
よほど楽しみなのかkilliNg saberを最初から装備している。
- レベル100
- 体力210
- 得意武器 短剣
- ハネツキ
対するSKULDAのレベルは100。
KILL°°BEとのレベル差は31もある。
DOLPHIN事件後にログインしていなかったから当然といえば当然だが、体力は若干上回っている。
- KILL°°BE
- レベル低ッ
無謀わロタww - SKULDA
- 勝負は終わってみないとわからないぜ!
覚悟しろ!KILL°°BE!
まだPV開始前だというのに、闘志の火花が散っている。
特にSKULDAは強気な姿勢を崩さない。
そんな2人の様子をチーム⭐︎ダイナ(仮)のメンバーが見守っている。
しかし、GINJIたちの予想はおおよそ悲観的だった。
- GINJI
- これは、SKULDAは厳しいかもね
- SID
- …えぇ確かに
- SEVEN
- 拙者も同意
SKULDAはかつて強豪チーム『S.E.O.』を率いていた。
だが、それも過去のことで、長くログインしていなかった代償としてレベルも上がっていない。
KILL°°BEは久々にログインしてポンと勝てる相手ではない。
SKULDAに勝算はあるのだろうか。
- SKULDA
- KILL°°BEよ、まさか俺のこと舐めているわけじゃないよなぁ!?
- KILL°°BE
- 弱者を舐めて何が悪い
- SKULDA
- 弱者と決めるのは最後に『WIN』という文字が出てから決めることだ!
今決めつけることではない! - KILL°°BE
- うるさいな、タヒね
KILL°°BEはダッシュでSKULDAに駆け寄り、killiNg saberを振り回した。
だが、攻撃はSKULDAがジャンプで回避したため当たらない。
そのまま背後につき、装備しているダガーナイフで突き攻撃。
これがヒットし、hit&awayよろしくバック転でKILL°°BEから離れた。
体力は5ポイント削ることができた。
- KILL°°BE
- よく避けることができたな
上から目線の発言も、それを嘲笑うかのような一言、
[お前はバカだろう!!]
とKILL°°BEの闘士に火をつける文章をチャットに残した。
続く。