前回まで、
Resetする?
KILL vs SKULL
7
ナイフノ雨が止み、KILL°°BEは体勢を整えた。
- KILL°°BE
- 体力、あマり減ってない
そう、KILL°°BEの体力はナイフノ雨に当たってもそんなに減ってはいなかった。
数値にして30程度。
派手な演出の割には地味なダメージとなってしまった。
- KILL°°BE
- ソの程度か、なラ!
再びSKULDAに攻撃を仕掛けるため、ダッシュで近づこうとしたその時、
再びナイフノ雨が降ってきた。
咄嗟の出来事で対応できなく、ただガードを固めて雨が止むのを待つ。
- SKULDA
- あんたが雨に当たっている間に別の雨を仕掛けておいた!
1回目が止むのと同時に発動するようにな!
そうチャットに表示されると、またナイフを空に投げた。
格闘ゲームでよくやるコンボというやつだ。
2回目の雨が止んだのも束の間、すぐに3回目の雨が降ってきた。
ガードを緩めることはできない。
- KILL°°BE
- いイ加減にしろ!
はめルなんて卑怯ダぞ! - SKULDA
- ハメというな!コンボといえ!
ここまでうまくやるにはタイミングが必要だからな
というか、あんたに卑怯なんていわれたくない!
KILL°°BEのチャットから卑怯と出てくるくらい、レベル差のあるSKULDAに追い詰められている。
3回目の雨が止み、気づいたらKILL°°BEの体力は残り80になっていた。
ガードの体制のまま動かない。
SKULDAは決着をつけるため、ダガーナイフに装備を変え、今度は自らKILL°°BEに近づいた。
- KILL°°BE
- おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
グサリと斬りつけた音が大きく響いてきた。
8
あり得ない画が、パソコンのディスプレイに写っていた。
SKULDAの左肩が、丸ごとなくなっている。
中途半端に斬りつけたため削除が不完全だったために起こった現象。
斬り口からは黒い雫がポタポタと落ちていて、体力も徐々に減っている。
- KILL°°BE
- 仕留メ損ねたか、
しカし、次!
さらに削除するために追い討ちをかけるが、攻撃が単調だからか、簡単に回避していく。
動くたびにSKULDAの体力が1づつ減っていく。まるでカウントダウン状態だ。
このまま攻撃を続けていけば、体力が尽きてKILL°°BEの勝ちになる。
- SKULDA
- ナイフノ雨
KILL°°BEがガードしている隙に画面端まで移動し体制を整える。
投げナイフで遠距離から攻撃を当て、地道ではあるがKILL°°BEの体力を削っていく。
その攻防は激しさを増し、互いの体力を減らしていった。
9
気がつくとお互いの体力は20ポイント。
パンチ一発程の攻撃で決着がつくまでになっていた。
あちらが仕掛ければこちらが狙う。
だけど、こちらから動くと隙になるからあちらの動きを待つ。
動きでできる一瞬の隙が怖くてお互いに動くことができない。
現在2人の間合いは遠距離。
緊迫した空気が周りを包み込んでいる。
その時SKULDAは、2人の間合いが徐々に縮まっていることに気づく。
画面を確認すると、KILL°°BEがずり足で近づいて来ているからだ。
ゆっくりと、ゆっくりと、そして確実にSUKLDAとの距離を縮めていく。
killiNg saberで仕留められる距離まで。
- SKULDA
- こんな近づき方じゃ埒があかない!
仕留めてみろよ!
KILL°°BEに向かってテクテクと歩き出した。
自ら標的になるかのように。
反対にKILL°°BEの足が止まった。
明らかに警戒している。
だが、至近距離になって有利になるのはKILL°°BEの方。
SKULDAは自ら死にに行っているようなものだ。
- KILL°°BE
- ヤケになったカな?
仕留めてヤるから待ってロ!
今までずり足で移動していたKILL°°BEが、今度はいきなり走りだした。
チャンスだと思い、一気に勝負を決めるつもりだ。
SKULDAは待ってました!と言わんばかりに虹色のオーラを放ってKILL°°BEをむかえた。
そして、再びナイフノ雨。
しかし、KILL°°BEはこれを察知し急ブレーキ。
直前でナイフノ雨を回避した。
- KILL°°BE
- 俺を走らせて雨の中心まで誘い込もうとしたのだろう
雨が止んだらすぐ殺ス
だが、その時。
降っているナイフノ雨から、一本の剣がKILL°°BE向かって飛んできた。
剣はKILL°°BEの体に突き刺さり串刺しに。
黒い飛沫が大量に噴き出し、体がどんどん薄くなっていく。
- KILL°°BE
- な、な、な、
KILL°°BEが驚くのも無理はない。
体に突き刺さった剣は黒いオーラを放っているkilliNg saberだった。
10
SKULDAは最初から、ナイフノ雨で決着をつけようとは考えてもいなかった。
むしろ、序盤からナイフノ雨を多用することにより、雨の警戒をさせていたのだ。
だから雨を囮として利用した。KILL°°BEのガードを崩すのと同時にコチラが攻撃する姿を悟られないために。
雨が止んだ後の攻撃しか考えてなかったので構えた瞬間に回転斬り大砲でkilliNg saberを放り投げたのだ。
- SKULDA
- 回転斬り大砲でお返ししてやったよ!
どうだいkilliNg saberの威力は! - KILL°°BE
- まだ持っていたとはな
- SKULDA
- あぁ、俺はこれを使ってDOLPHINを殺した!
今でもDOLPHINの叫びが脳裏に浮かんでくる!
そして俺は学んだ!
『武器は人を選ばない。正しく導くのは自分次第』だと!
だけど『存在自体が間違っている武器』というのも存在する!
だからKILL°°BE、お前に返したんだ!
KILL°°BEは必死になって剣を抜こうとするが、なかなか抜くことができない。
- SKULDA
- これで、おしまいだ!
SKULDAはKILL°°BEに近づきながら投げナイフを装備し、空に向かって投げた。
ナイフは瞬く間に雨のように大量に降り注ぐ。
- SKULDA
- ナイフノ雨
雨がKILL°°BEに襲いかかった。
Scrap & build
1
激しかったPVを制したSKULDAが、みんなのいるフィールドに戻ってきた。
左腕はなく、黒い雫も滴っている。
NATSUHAとFAUSTは先にその場を離れていた。
なんでも [ZONEの起動実験とDINAの始末が完了したから]とのこと。
引き止めてPVすることもできたが、今のメンバーの実力では勝てるはずもない。
立ち去る姿をただみているしかなかった。
- GINJI
- SKULDAさん!大丈夫ですか!
- SKULDA
- 大丈夫だ!
それにKILL°°BEはもうこの世にはいない
誰も犠牲になるものはいないだろう - SID
- …そう、よかった
- MOMOKO
- でもSKULDAさん、腕どうにかしないと、、、
- SKULDA
- こればかりはデータを修復しない限り復活しないだろう!
一度ログアウトして修理する方法を見つけてくるよ! - GINJI
- わかりました!
したらみんなは一旦始まりの街に戻ろう
チーム⭐︎ダイナ(仮)のみんなは首を縦に振り、始まりの街へ向かおうとした時、
ドサッと倒れる音が聞こえた。
振り替えってみると、SKULDAが倒れていた。
皆慌ててSKULDAに駆け寄った。
続く。
コメントを残す