前回まで、
裏ワザ
1
[まずは拙者についてくるで候]
といわれ歩きだしたものの、どこまで行くのだろうか。
始まりの街を抜けて草原、そして森ステージへと移動した。
SEVENさんは向かってくるNPCも無視して歩き続けている。
俺は近づいているNPCを必死になって退治した。
初心者向けのステージだけあって、敵はほぼ一撃で消えてしまう。
「なんか、まるで駆除だな」
パソコンの前でそう呟いた。
必死になっているJINKとは対照的にSEVENさんはテクテクと歩みをとめなかった。
2
SEVENさんが歩みを止めたのは、森ステージの安全地帯。
NPCが入ってくることもなく、PVもできない聖域。
そして案内されたのはSEVENさんがいつも陣取っている木陰だ。
- JINK
- ここになにがあるんですか?
- SEVEN
- ヒミツだw
- JINK
- そんなもったいぶらないで教えてくださいよ
- SEVEN
- まぁ慌てるな、その前に確認したいのだが
『力の解放』は取得してあるのか? - JINK
- ……ありましたっけ?
- SEVEN
- 馬鹿者!
拙者はしっかり覚えているのだそ
GINJI君に従って『力の解放』を習得していたと
しばらく離れていたのもあって、習得したことも覚えていない。
渋々スキルの項目を開いたら一番上に表示されていた。
- JINK
- ありました
- SEVEN
- よし、それがあるなら大丈夫
今回の相手は余裕で倒せるであろう - JINK
- なんかでかいボスでも倒すんですか?
- SEVEN
- 違う
拙者の探していた『KAHLUA』というプレイヤーだ
3
その後SEVENさんからKAHLUAについて詳しく説明してくれた。
KAHLUAがSEVENさんの先輩ということ。
お友達登録をKAHLUAに解除され、探すのにかなり難航したということ。
レベル101のハネツキということ。
力の解放を使えば勝てるかもしれないということ。
だから、力の解放を習得している俺の力が必要だったみたい。
- JINK
- なるほど、なんとなくわかりました
- SEVEN
- ウム、ならよろしい
したららここに参ったヒミツを教えてあげるで候
そういうと、SEVENさんの特等席でもある木陰に座るよう指示された。
つづく
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