【第23回】空想戦記 -Sky Fliers Online-

前回まで、

第22回 空想戦記 -Sky Fliers Online-

いざ洞窟へ

1

DINA
よし着いた
ここにKARASがいる!

着いたのは洞窟。

装備の準備をして入ろうとしたその時、MOMOKOが質問してきた。

MOMOKO
あの、DINAくん
DINA
なに?
MOMOKO
KARASが今ログインしているとは限らないんじゃない?

KARASはNPC(ノンプレイヤーキャラクター)ではなくプレイヤーだ。

ゲームにログインするもしないも本人次第。

だが、確信があるんだ。

DINA
確かにログインしてないかもしれない
だけど掲示板に、『ここ最近無差別にPVを仕掛けてくるプレイヤーがいる』って書かれていたんだ
KARASか『Team X』の誰かなのは確かだと思う
MOMOKO
なるほどねー^ ^
DINA
しかも今日に限ってはKARASが直接書き込んだみたいなんだ
『イライラするから洞窟にいる奴らに宣戦布告だ』って
MOMOKO
そーなんだー

MOMOKOはびっくりしたようだ。

MOMOKO
でもなんでしーちゃんとかに教えなかったんですか?
DINA
そ、それは

痛いところを突かれた。

2

確かに、情報はメンバー善逸で共有するべきだった。

だが、伝えられない理由があった。

DINA
えっと、みんなが解散したあとに掲示板見たから伝えられなくて^^;

言い訳しているみたい。実際言い訳だけど。

こんな言い訳みたいな言い方ってあまり好きじゃない。

男らしくないし、女々しいって感じがする。

SID
伝えなくても来てやったぞw

なんか威張った文章は、やっぱりSIDだった。

いつの間にかDINAの背後に立っていた。

MOMOKO
あれれ、しーちゃん^ ^なんでここがわかったのー?
SID
掲示板を見てここに来た

さすがはSID。このゲーム歴が長いだけあって要領がいい。

DINA
あれ、しーちゃんBINGO!!さんは?

SIDにBINGO!!さんの行方をきいてみた。

すぐに解散したとはいえ、方向が同じだったからどこに行ったかを確認するために。

そして、どさくさに紛れて『しーちゃん』を使ってみた。

SID
BINGO!!さんにも伝えたのだが、『これは罠だ!』って洞窟とは反対方向に走っていったw

BINGOさんとは別行動になったらしい。確かに罠という可能性も否定できない。

普通に答えてくれたところをみると、しーちゃんには気づいていないみたいだ。

SID
しーちゃんはヤメロ(−_−#)

あ、やっぱりバレてたのね。

MOMOKO
わかったーやめるー(T_TT)

MOMOKOが泣いていた。

どうやらSIDの言葉が、MOMOKOに向けられてると勘違いしたみたい。

動揺しているのか、泣いている顔を表すTがひとつ多い。これじゃ三つ目だよ。

SIDは必死に[あっ、DINAに言ったの!]とフォローしていた。MOMOKOとはリア友だからか必死なのが画面越しでも伝わってくる。

あまりにも対応が違ったので[俺にも慰めてくれてもいいんだよw]とアピールしたのだが、

SID
とにかく洞窟にむかうぞ

と、俺の発言をまるっと無視したのだ。

そしてMOMOKOと2人で洞窟に入っていく。

俺はチャットの機能を叫ぶモードに切り替えて[リーダーは俺だ!]と叫んだ。

3

洞窟に入るとすぐに違和感を覚えた。

俺たちの他にもたくさんプレイヤーがいるはずなのに見当たらない。

やはりKARASの宣戦布告を見て逃げ出したのか、それとも…。

SID
…静かだな
MOMOKO
うん、なんか君が悪いね
DINA
まぁ掲示板に宣戦布告なんか書かれていたら誰だって逃げるさ
MOMOKO
そうだよね^ ^;ここってDINA君みたいなレベルの低い人中心に集まるもんねw

MOMOKOにレベルの低いと言われて軽くショック。

SIDとは違って物腰柔らかい文章だが、逆にグサッと心に刺さってしまう。

弱いってストレートに言ってくれた方がまだ笑いになるんだけどな。

だから、[俺は弱くない!]って強がってみた。

SID
もう少し奥に言ってみようか
MOMOKO
そうだね^ ^もしかしたら潜んでいるかもしれないしねー

華麗にスルーされたのさ。

DINA
おい!俺を無視するなー!
SID
なんか叫ぶモードで叫んでるよww
MOMOKO
おもしろ〜いね〜ww^ ^

2人は気にもとめずに洞窟の奥へと進んだ。

DINA
いやいやw置いてかないでよw KARAS捜索のためにみんなで固まって行動しようよ!

急いで2人を追いかけるのだが、ペースが早くてなかなか追いつくことができない。

画面の左端にSIDとMOMOKOで右端が俺。

物理的に離れているけど、そのまま心の距離に思えてしまうんだ。気のせいかもしれないけど。

4

DINA
や、やっと追いついた

2人が止まってくれたおかげで何とか追いつくことができた。

まぁホッとしたのも束の間。

SIDが[KARASを発見した]とメッセージを発したので前方を確認。

すると確かにKARASがいた。

しかしどこか様子が変だ。

少なくとも初めてあった時の冷静で強いという印象はない。

KARAS
なぜだ、なぜ皆いないのだ
KARAS
あいつが切り捨てた恨みをぶつけようと思ったのだが
KARAS
そうか、俺から逃げているのか…面白いw
KARAS
なぜうまくいかないんだ!

こんな感じでずっと独り言を発している。

例えるなら死にかけた落武者みたい。

KARASはまだ俺たちに気がついていないみたい。

SID
よし、KARASは私が戦ってくる
DINA
ちょっと待て、勝手に決めるなよ!
SID
だが、KARASと対抗できるのは私しかいない
2人が向かっても無駄死にするだけだ
DINA
だからって、やってみなきゃわからないだろ!

俺はKARASにリベンジしたかった。

確かにレベルは低いかもしれない。

でも万が一、いや億が一でも勝てる可能性はあるんだ。

このままやられたままってのも嫌だし。

SID
私にはKARASに聞きたいことがあるんだ、だから私にやらせてくれm(_ _)m

SIDはその場に座り頭を下げた。

ご丁寧に土下座の顔文字も添えられた。

勝手に決めたのは正直面白くないけど、SIDにも譲れないものがあるみたい。

少し考えた結果、

DINA
わかった
そのかわり、勝てよ

SIDを信じることにした。

[…ありがとう]と一言だけ残し、KARASに向かって走り出した。

5

DINA
クソッ…
MOMOKO
DINA君落ち込まないで^ ^;
私たちにはまだやることが残ってるのよ

MOMOKOの一言で目が覚めた。

そうだ、まだやるべきことが残ってる。

ITOSHIKIのいっていた、

『KARASに会ったらメニューを開け』

今それを実行するときだ。

DINAをクリックし、メニューを開いた。

画面にはDINAの状態、装備品、今いる場所のマップやお友達のログイン状態が表示された。

「この中に、何か重大なことが……えっ!」

違和感はすぐにわかった。

だけどこれ…いや、これは嘘なんだと、また大声あげてベッドから飛び起きて『全部夢でした』と叫びたくなる。

口を押さえて溢れ出す感情を抑えるのに精一杯だった。

違和感があったのは『お友達のログイン状態』だ。

登録したプレイヤーのログイン状態と使用キャラクターがわかるようになっている。

俺はまだゲームをプレイして日数が経っていないので、お友達はチーム⭐︎ダイナ(仮)のメンバーだけ。

SID、MOMOKO、BINGO!!さん、そしてGINJIの4人。

のハズだが、メンバーの中にGINJIの姿はない。

代わりに登録されていたのが、

KARAS

だった。

続く。

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ムツキ
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いつでもそこにいるブロガーを目指してる30代農家。 何でもアリの雑記ブログやケータイ小説などを書いてます。