前回まで、
DINA & MOMOKO
1
家に帰って早速ログインした俺。
始まりの街にみんな集まっている。
メンバーはMOMOKO、SID、BINGO!!さんと俺DINA。
やっぱりGINJIはまだログインしてないみたい。
- DINA
- ということで、今回の任務はKARASを探すことだ
- MOMOKO
- あ、あの…
俺が意気揚々と任務を発表したとき、MOMOKOは申し訳なさそうにたずねてきた。
- DINA
- どうしたの?
- MOMOKO
- あの、道着姿の人は誰ですか?
- BINGO!!
- えっ?!
BINGO!!さんは慌てた様子で俺にたずねてきた。
- BINGO!!
- いや、DINAくん!紹介してくれたんだよね!
- DINA
- あっ、すみません忘れてましたw
- BINGO!!
- そんなぁ!orz
BINGO!!さんは膝から崩れ落ちてしまった。
このまま放置しておくのもいいかなと思ったけど、さすがにBINGO!!さんに申し訳ないので、改めて俺から紹介した。
- DINA
- と、いうことで紹介が遅れましたが先日仲間になったBINGO!!さんです
- MOMOKO
- MOMOKOです^^よろしくです^^
- SID
- …よろしく、SIDだ
- BINGO!!
- お、おう!よろしく!
一通り自己紹介を終えたところで、早速疑問に思ったことをBINGO!!さんに聞いてみようと思う。
- DINA
- 早速正式メンバーになったBINGO!!さんに1つききたいことがあります
- BINGO!!
- どうぞどうぞ!!
- DINA
- orz!←ってどういう意味ですか?
- BINGO!!
- がっくりって姿をアルファベットで表現したんだよ!w
- DINA
- なるほど、そういう意味だったんですねw
- BINGO!!
- zを2にしてやると尻上がりな感じになるよ!ww
- DINA
- or2 or2 or2 or2
honntoda,omoshiroidesune - BINGO!!
- おいおい!w興奮するのはいいが日本語入力に戻ってないぞ!ww
- DINA
- ett?
俺たちは一体何をやっているんだ。
2
- MOMOKO
- ま、まぁとにかくKARASを探しに行きましょう^^;
- DINA
- ちょっと待って、もしKARASに出会ったらみんなにやってもらいたいことがあるんだけど
俺はみんなを引きとめた。
- SID
- …やってもらいたいこと、何をすればいいんだ?
- DINA
- メニューを開いてマップを確認してKARASがどこに逃げるか予測するんだ
- MOMOKO
- なるほどねー^^
MOMOKOが感心してくれた。
だがSIDはどこか警戒した様子で[…誰の指示なんだ?]ときいてきた。
- DINA
- ITOSHIKIに言われたんだ、メニューを開けって。ってかなんで誰の指示か聞いたんだ
- SID
- DINAには思い付かない提案だったからww
- DINA
- な、に
いじるだけだったんかい!と心の中でツッコんだ。とりあえず[ふざけるなよw]と書こうとしたが、
- BINGO!!
- よし!KARASを探そうか!
BINGO!!さんが横から会話に割り込んできた。
みんなタイミング良すぎだよ。
3
かくして、チーム⭐︎ダイナ(仮)のKARAS捜索が始まった。
俺たちは草原を抜けて、洞窟を目指した。
- DINA
- 俺が先行していくから後からついてきて、あとMOMOKOはダメージの回復をお願い
- MOMOKO
- りょーかい
\\\\٩( ‘ω’ )و ////
そう、俺はMOMOKOと行動することになった。
その理由としてSIDいわく、
- MOMOKOが回復魔法重視のキャラクターのため、ダメージを受けてもすぐに回復できるから。
- レベルが低いため、別のキャラクターのサポートが必要だから。
- 俺が弱いから、
- MOMOKOに助けてもらえ。
だとさ。
③と④だけ納得いかなかったけど受け入れるしかなかった。
俺は一人で捜索したかったけど、賛成多数で可決。民主主義って怖い。
ちなみにSIDとBINGO!!さんは別々に行動するんだって。
[私たちは強いから一人でも大丈夫]だってさ。
もう最近はSIDが何でもかんでも決めている状態だよ。もうSIDがリーダーで良くない?
Team X討伐の前にSIDを討伐した方がいいんじゃないかとも思う。
しかもこのバカにした感じ、カナタに似ているような感じがしてならない。
今日学校で意味深な発言をしていたからもしかしたら…。
4
- MOMOKO
- 考え事ですか^ ^?
MOMOKOのメッセージで我に返った。
- DINA
- えっ、あぁごめん^^;ってかよく考え事してるってわかったね
- MOMOKO
- 攻撃しないまま敵に体当たりしてたので(^◇^;)
DINAの体力を見てみると残り3ポイントしかなかった。
俺は慌ててキーボードを叩いて助けを求めた。
- DINA
- ももこかいふくたのむ
- MOMOKO
- は〜い^ ^
MOMOKOは回復魔法『ルオナ』を唱えた。
5
(うーん、考えていても仕方がないから思い切ってきいてみるか)
- DINA
- 確かMOMOKOってSIDのリア友だったんだよね?
- MOMOKO
- はい^ ^それがどうかしたのですか?
- DINA
- SIDってプレイヤーってどんな人かなーって思ってさ
俺はSIDはカナタだと確信していた。
理由はいくつかあって
- 俺にだけに集中口撃してくる
- カナタの学校での『発言』
順番に解説しよう。
①俺にだけ集中口撃してく?
SIDがいつもひどいことを言うのは俺に対してのみ。
MOMOKOはリア友だからもちろんBINGO!!さんにもGINJIにも口撃はしてこない。
チャットの文もどこかカナタの口調に似ているような気がする。
②カナタの学校での発言
今日カナタが学校で言っていたことを思い出して欲しい。
詳しくはこちら↓
俺と永太がゲームの話をしていたのだが、
横から聞いていたカナタが、
「え、全部理解してたけど」
と言っていた。
そもそも、ゲームをやっていないカナタが『全部理解してたよ』なんていうのはおかしい。
これは、「私も密かにゲームに参加してたんだ」といってるようなもの。
6
以上の点から、SIDはカナタだと言うことがわかる。
あとはMOMOKOが俺の質問に対して、
[明るくて活発なショートヘアーの女の子だよ〜^ ^]
と答えてくれればボーナス確定。
俺の推理は完璧だ。
(さぁ、吐いちゃえよMOMOKO)
しかし、MOMOKOからの返事はない。
しばらくの沈黙が続く。
そして、
- MOMOKO
- 確かにリア友ですけど、それは言えません。
ここはオンラインゲームの中なので、リアルに踏み込んだ話は無しにしましょう。
軽くお説教をされてしまった。
俺は[ゴメンね…^^;]とだけ残して先を急いだ。
結局、SIDが誰かを聞くことはできなかった。
続く。
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