前回まで、
焦り
1
オフ会が終わり、帰宅したのは夜11時。
部屋に入るとすぐにパソコンの電源を入れる。
もちろんゲームのために。
只今夏休み中だし、明日の予定だって何もないからゲームに集中したっていい。
というか、俺は今焦っているんだ。
チーム⭐︎ダイナ(仮)の中で、俺が1番レベルが低いからだ。
SIDはレベル80。
SEVENはレベル71。
GINJIはレベル68。
MOMOKOはレベル61。
対してDINAは46。
スタートに差があるとはいえ、毎日コツコツログインしていた身としてはなんか納得いかない。
まぁみんなPVで経験値を稼いでいるから差ができるのも無理はない。
モンスター10体よりもPV1回勝利の方が貰える経験値は多い。
だから何度もPVで勝利するとスピード出世するかの如くレベルがあがる。
でも俺は、PVで勝てないから恩恵を受けられない。
そしていつのまにかみんなに置いていかれる。
だから焦っているんだ。
2
そんな焦っている時に限って会いたくない人とバッタリ会うみたいだ。
それは、ログインしてすぐ、始まりの街を出て、森に着いた時だった。
俺の目の前を、道着を着たキャラクターが通っていった。
そいつは、一度画面から消えたのだが、俺に気付いたみたいですぐに俺の元に戻ってきた。
- BINGO!!
- おぉ!DINA君じゃないか!
やっぱりBINGO!!さんだった。
3
BINGO!!さんはすぐに、[この前はあんな酷いことを言ってしまってごめん!]と誤ってきた。
- DINA
- いや俺の方こそ、BINGO!!さんの気持ちを知らないで偉そうに、
すみませんでした - BINGO!!
- いや、悪いのは俺だから!!
- DINA
- そんな、俺が悪かったです
- BINGO!!
- いや、俺が…
謝罪に謝罪を被せるやりとりが10回以上続いた。
だってお互い[自分が悪かった]って主張して、一歩も引かなかったからね。
さすがに埒が開かないので、謝罪はここまでにして、別の話題を振った。
続く。
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