前回まで、
BINGO!!消滅
1
- KILL°°BE
- BINGO!!ハ倒したヨ
- NATSUHA
- ご苦労
なら予定通り計画を実行できる
PVから戻ってきて最初に表示された会話がこれだ。
DINAは『バックWP』を持っていたので病院に飛ばされることはなかった。
ただし、一定時間動くことはできないけどね。
- DINA
- 予定通りって、何しようとしてるんだよ
NATSUHAが何か企んでいるのはわかっている。
それがこのゲームにとって脅威になることは間違いない。
- NATSUHA
- 時が来ればわかるさw
もちろん教えてくれなかった。
語尾の“w”が余計に腹立たしい。
- DINA
- というか、BINGO!!さんは
BINGO!!さんはどこにいるんだ
NATSUHAの言葉に意識が向いていて、今更BINGO!!さんがいないことに気がついた。
- KILL°°BE
- 安心しロ
BINGO!!はナ
安 ラ か に 成 イム し タ よ - DINA
- なんだと!
BINGO!!さんはKILL°°BEによって消されてしまった。
- DINA
- クソッ
BINGO!!さんを返せ!! - KILL°°BE
- 無理いうナww
- DINA
- なんだよ、マジで
狂ってる、みんな狂ってるよマジで - NATSUHA
- それは俺たちTeam Xを倒してからいいな
今、貴様の言葉は負け犬の遠吠えにしかきこえない
そうチャットに残して、NATSUHAとKILL°°BEは画面から姿を消した。
悔しかったから、チャットを叫ぶとモードに切り替えて文章を打つ。
どこかに移動したNATSUHAとKILL°°BEにぶつけるために。
- DINA
- このままで終わると思うなよ!
俺はTeam Xを許さない!
いつか必ず倒してやるからな!
2
次の日朝8時。
始まりの街に1人のキャラクターがログインしてきた。
赤い鎧を見にまとい、背中には大剣を背負っている。
名前は『BINGO!!!』と表示されている。
BINGO!!!はログイン後すぐに森に向かって歩き出した。
だが、
- ???
- まだ戦うつもりか
表示されたチャットに反応して立ち止まった。
- BINGO!!!
- 止めても無駄だよITOSHIKI
俺は再び立ち向かう
言葉の主はITOSHIKIだった。
ITOSHIKIはゆっくりとBINGO!!!の側まで歩いてきた。
- ITOSHIKI
- KILL°°BEとのPV、散々だったな
- BINGO!!!
- 観てたのか
禁止設定になってたはずだが - ITOSHIKI
- BINGO!!は戻ってこなかったからな
それよりも、もうよいではないか - BINGO!!!
- 何を言っている!
KILL°°BEを倒さなきゃ未来はないからな - ITOSHIKI
- 何を勘違いしている
私は何も『戦うのをやめろ』とは一言も言ってない
3
- ITOSHIKI
- 『時は満ちた』と言っているのだ
- BINGO!!!
- しかし、KILL°°BEと戦えるのはきっと1度きり
もう少し準備が欲しいのだが… - ITOSHIKI
- 3度も戦えばもうわかるだろう
これ以上は無駄に時間を引き伸ばしているだけ
そろそろ覚悟を決めた方がいい
BINGO!!!は[いや、でも、]と弱気を隠さなかった。
そんなBINGO!!!を激励するためか、ITOSHIKIは強めな言葉で、
- ITOSHIKI
- また、逃げるのか
と警告した。
4
- BINGO!!!
- 逃げてはいない!
俺は確実に勝つために準備をしているだけだ! - ITOSHIKI
- だとしたら何度検証すれば気が済むのだ?
不安で準備を繰り返していると
いつまでも準備から抜け出せない
私からみると自信が持てないただのワガママ言っている子どもにしかみえない - BINGO!!!
- なんだと!!
ITOSHIKIの挑発に、BINGO!!!は怒りを露わにした。
そんなことはお構いなしに、さらに文章が表示された。
- ITOSHIKI
- 勝利って
力、実力、技術
様々な要因が必要なのは間違いない
だが最後は『自信』で勝敗がわかれる
どんなに力があっても
どんなに実力があっても
どんなに技術があっても
自信がなければ100%発揮することができない
だが、BINGO!!!にも考えがある。
ただ闇雲にKILL°°BEと対峙しているわけではないからだ。
- BINGO!!!
- だからこうやって何度も見極めて自信をつけようとしてるだろ!
- ITOSHIKI
- BINGOをつかっていては『自信』なんてつけらるれわけがない
『本当の自分』を使わない限り、BINGOでの見極めは『見極め』の域から脱出しない
3回も戦えば充分検証できたはず
BINGO!!!はITOSHIKIの言葉に反論できなかった。
5
- ITOSHIKI
- ひとつ教えてやる
- BINGO!!!
- なんだ!
- ITOSHIKI
- 明日、NATSUHA達Team Xが計画の一部を実行するみたいだ
- BINGO!!!
- 計画って、何をするつもりだ!
- ITOSHIKI
- それは私にもわからない
ただ、躊躇していると手遅れになるかもしれないな - BINGO!!!
- 事態は急速に動いているということか
BINGO!!!はITOSHIKIに説得されてログアウトしようとした。
しかし、なにかを思い出してすぐに方向転換。
歩いてその場を離れようとしたITOSHIKIに近づいて問いかけた。
- BINGO!!!
- ITOSHIKI
なぜこちらの見方をしてくれるのだ!
Team XはITOSHIKIのチームだったはず
仲間を裏切るのか?
6
ITOSHIKIはピタリと止まり、BINGO!!!の方を向き、問いに答えた。
- ITOSHIKI
- NATSUHAは私の仲間だ
だからこそ間違った方向に行ってほしくない
直接伝えてもNATSUHAは聞き入れてくれなかった
だから私は私なりにNATSUHAに伝えるための行動をしているだけだ
ITOSHIKIはいつでもTeam XやNATSUHAのことを考えている。
仲間とストレートに言えるのは想いが強い証拠でもある。
- ITOSHIKI
- それに、
BINGO!!!
いや
SKULDA
お前も仲間だから
不意を突かれたようでBINGO!!!は一瞬ドキッとした。
だが、
- BINGO!!!
- フフッバレていたかw
KILL°°BEは勘違いしてたがなw
BINGO!!!は焦ることなく、自分がSKULDAだと認めた。
- ITOSHIKI
- 何でもかんでも『!』つければいいと思うな
不自然すぎる - BINGO!!!
- ご注告ありがとう
でももう使うことはないかな
いつもと変わらない棒立ちのBINGO!!!だったが、画面から伝わる雰囲気は明らかに変わっていた。
KILL°°BEに『見極め』という気持ちで立ち向かったBINGO!!!ではなく、
『勝ち取る』という気持ちに変化したSKULDAとして。
- ITOSHIKI
- 今度は
SKULDA vs KILL°°BE
を楽しみにしている - BINGO!!!
- 了解
次のPVはSKULDAとして挑むよ
その言葉を交わしてを残して、2人ははゲームからログアウトした。
続く。
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