【第17回】空想戦記 -Sky Fliers Online-

前回まで、

最強との戦い

1

ITOSHIKI、レベルは175で体力は700、得意武器は弓矢。

一方、DINAはレベル32で体力は150、得意武器は大剣。

うん、どう考えても無謀すぎるよね。

勢いでPVを申し込んだはいいが、承認されるとは考えていなかった。

ITOSHIKI
私は誰の挑戦も受けるのだ。たとえレベルの差があろうとも。
そして全力で向かわせてもらう!

まるで俺の心を読んだかのような文章が表示された。

こんなバケモノ級のプレイヤーが全力で来るんだ、中途半端な気持ちで向かってはいけない。

俺は両手で頬を勢いよく叩いて気合を入れ、コントローラをギュッと力強く握った。

DINA
いくぞ!!!

大剣を構えてITOSHIKI目がけて走り出した。

2

ITOSHIKIに構えていた大剣を振り下ろす。

しかし、大剣のモーションが遅いためかするりと回避され背後を取られてしまう。

「でも、この距離ならば当てられるはず」

背後を取られたが、まだ至近距離。

間髪入れずに回転斬りを発動させる。

ITOSHIKI
遅い!

だが、攻撃はバック転で回避されてしまう。

そのままバック転を繰り返し、DINAとの距離が開く。

「今度は遠距離だな、よし!」

DINAにハンドガンを装備させて、ITOSHIKI狙って乱射した。

だが、しゃがみやジャンプを駆使して全ての弾丸を回避されてしまう。

ITOSHIKIに全く攻撃が当たらない。

「クソッ!なんで全く当たらないんだよ!」

太刀打ちできないのは、最初からわかっていたさ。

理解はしているけど、イライラはしていた。

格闘ゲームって、どんなプロプレイヤーだって一撃くらいは貰うのに、

ITOSHIKIには全く当たらないんだよ。

まるで俺の攻撃が全てわかっているかのようだ。

3

いや、待てよ。

そもそも攻撃しに向かっていくことが間違いで、

ITOSHIKIから動いてもらう方がいいのではないか。

攻撃モーションの隙を狙ってカウンターでダメージを与えるんだ。

俺は画面端までDINAを移動させてITOSHIKIの攻撃を待つことにした。

ITOSHIKI
そこで止まっていてもいいのか
DINA
なぜ
ITOSHIKI
今弓を引いている
このまま立ち止まっていたら貴様は簡単に負けてしまうぞ
DINA
えっ!

ITOSHIKIが放った。

飛び道具は目で追うことが難しく、弓はDINAに直撃した。

たった1撃なのに体力は80も削られ、残りは70。

「クソッ、攻撃は近距離も遠距離も当たらない。待ちの戦略を使うと弓攻撃で思う壺。一体どうすればいいんだよ…」

ITOSHIKIは今まで対戦してきたプレイヤーの中でも段違いに強い。

動きに隙がないし、与える攻撃も的確。

そりゃランキング1位になるさ。

ITOSHIKI
Team Xには私と渡り合える強敵がたくさんいる
私に攻撃を当てられないのなら貴様にTeam Xを止める力などない!

再び弓を引く体制で止まっている。トドメをさすつもりだろう。

4

ITOSHIKIの言う通りかもしれない。

事実俺は攻撃を当てることができてない。

それどころか相手の攻撃は全てもらっている。

レベル、実力、名誉どれも逆立ちしたって勝てるものはない。

でも…。

DINA
絶対これから強くなって、倒してやるからな!
待ってろITOSHIKI!

俺は威勢を張ることをやめなかった。

ここで気持ちで負けてしまっては全て敗北になると思ったからだ。

俺は弓を引いた状態のITOSHIKIに向かって走った。

即座に弓を放ち、DINAに当たる。

DINAはその場に倒れたがなんとか耐えた、まだ体力は30残ってる。

ITOSHIKIが弓を引く動作は時間がかかり、大きな隙になっている。

「この隙に距離を縮めるんだ」

すぐに立ち上がりまた走る。

もう少しで攻撃範囲に入るところで3度目の弓を貰ってしまう。

再び倒れてしまう。

体力はラスト10。

近くなると弓矢も避けづらくなってくる。

でも諦めない。

絶対1撃でも当ててやる。

気合を入れ直し、すぐに立ち上がりITOSHIKIに向かっていった。

5

遂に攻撃範囲まで距離をつめることができた。

だがその瞬間、ITOSHIKIの弓矢がDINA向かって飛んでくる。

「ここだ!」

DINAはスライディングで弓矢を回避し、ITOSHIKIと0距離まで迫った。

「回転斬り!」

俺は無我夢中になって回転斬りをした。

ITOSHIKIは再びバック転で回避し距離を戻そうとした。

「まだまだ!」

俺は回転斬りからのコンボ技回転斬り大砲を発動。

DINAの放った大剣はITOSHIKI目がけて飛んでいき当たったのだ。

渾身の攻撃も削った体力は5。

ここでもレベルの差を見せつけられてしまった。

6

ITOSHIKI
まさか貴様が、私に攻撃を当てるとは…

チャットウィンドウに表示された文章には目も留めず、素手になりながらも必死になってITOSHIKIにパンチ攻撃をする。

右、左と華麗に避けられて当たらない。

ITOSHIKI
攻撃を当てた褒美にひとつだけ教えてやろう

KARASは悩んでいる
もし出会ったら
メニュー画面を開いてみろ

ITOSHIKIはバック転を繰り返し、あっという間に画面の端まで到達した。

すぐさま弓を引き攻撃体制になる。

ITOSHIKI
Team Xに立ち向かうのなら、この先多くの強敵を戦うことになるだろう

貴様がTeam Xを倒し、

私を倒してくれることを楽しみにしている

チャットウィンドウに言葉を残し、ITOSHIKIは弓矢を放った。

続く。

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ムツキ
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いつでもそこにいるブロガーを目指してる30代農家。 何でもアリの雑記ブログやケータイ小説などを書いてます。